衛星用光学系

赤外線天文衛星「あかり」搭載光学系


ASTRO-Fの赤外線望遠鏡
写真提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)

2006年2月22日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は赤外線天文衛星「ASTRO-F」を搭載したM-Vロケット8号の打ち上げに成功しました。
同衛星には、ニコンにて製作された口径67センチメートルの大型赤外線望遠鏡(右写真)が搭載されました。
「あかり」と命名された同衛星は、日本初の本格的な赤外線天文衛星として、銀河の誕生とその進化の過程の解明に活躍することが期待されます。
「あかり」は、波長1.7マイクロメートルの近赤外線から180マイクロメートルの遠赤外線までをカバーします。
1983年、アメリカ、イギリス、オランダによって打ち上げられた世界初の赤外線天文衛星IRASに比べ、一桁以上高い感度、数倍以上高い解像度を誇ります。

陸域観測技術衛星「だいち」搭載光学系


「だいち」に搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)
で観測した種子島
写真提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)

2006年1月24日、JAXAは陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」を搭載したH-IIAロケット8号の打ち上げに成功しました。
同衛星には、ニコンが光学系製作に参加した高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が搭載され、地図作成、地球観測、災害状況把握、資源探査等で活用されています。
2月17日にフィリピン・レイテ島ギンサウゴン付近で発生した地すべり災害の観測も行い、貴重なデータを提供しています。

金星探査機「あかつき」搭載光学系


金星を撮影する「あかつき」のイメージ
写真提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)

2010年5月21日、 JAXA(宇宙航空研究開発機構)はH-IIAロケット17号機によって「あかつき」を打ち上げました。
あかつきは、可視光線(雷)、中間赤外線(雲の温度分布)、紫外線(雲頂の化学物質)、近赤外線2台(地表面・下層大気)の5台のカメラと6台の観測機器を用いて、金星の大気の流れや組成、雷や火山活動の有無を調べ、金星の大気の謎を解明することを目的としています。

ニコンではあかつきの4つの光学系の設計・製造を行いました。
金星軌道投入に至る過程においては、設計条件を上回る熱環境に耐え、画像取得を成功させ、世界最先端の金星研究に当社の技術が貢献しています。

惑星分光観測衛星「ひさき」搭載光学系


惑星を観測する「ひさき」のイメージ
写真提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)

2013年9月14日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は惑星分光観測衛星SPRINT-Aを搭載したイプシロンロケットの打ち上げに成功しました。その後、SPRINT-Aは無事軌道に投入され、「ひさき」と命名されました。
ひさきは地球を回る高度約1000kmの人工衛星軌道から金星や火星、木星などを遠隔観測する世界で最初の惑星観測専用の宇宙望遠鏡です。
ニコンは望遠鏡の主鏡(口径20cm)の製造を担いました。主鏡の母材は、非常に硬く加工が難しいとされるSiC(炭化ケイ素)を使用しておりますが、当社の精密加工技術を用いて完成させました。

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