株式会社ニコンエンジニアリング｜Japan
従来の顕微鏡では使用できなかった細胞培養環境・過酸化水素ガス除染環境での使用を可能にし、近年、再生医療分野で注目を集めているのが細胞観察装置BioStudioです。独自のシールド技術により、インキュベータ内・アイソレータ内での顕微鏡観察を実現しました。
※ インキュベータとは・・・内部を細胞培養に適した環境（温度37℃・湿度95％）に保つ、箱形の恒温装置。
※ アイソレータとは・・・過酸化水素ガス除染が可能な閉鎖型の細胞調製用クリーンベンチ。
一般的な顕微鏡は、高温多湿な細胞培養環境や、酸化作用により滅菌を行う過酸化水素ガス除染環境では使用することができません。このような顕微鏡にとって過酷な環境で、細胞観察を可能にしたのが「細胞観察装置 BioStudio」です。
これまで使用できなかった環境で細胞を観察できることから、「研究」「製造」「品質管理」など、さまざまな再生医療分野への貢献が期待されています。
BioStudioは、細胞観察に必要な機器が全て一体となり、密閉されたボディの中に組み込まれているオールインワン設計です。独自のシールド技術により、対物レンズ・照明装置・カメラなどの精密電子機器をインキュベータ内の高湿度から守ります。
インキュベータ内で使用できるBioStudioは、生細胞を培養しながら観察することができます。
タイムラプス撮影機能を使えば、これまで見ることのできなかった培養中の細胞の挙動を動画として保存することができます。
観察ポイントを変更するとき、一般的なステージは、細胞を載せたステージが動きます。
このとき細胞は、慣性の法則により電車の走り始めのような負荷を受けてしまいます。
BioStudioは、細胞を試料台に置くだけで、あとは顕微鏡側が動きます。
BioStudioを使えば、細胞に負担をかけずに観察ポイントの変更ができます。同時に、培地の揺れによる細胞への負担や観察への影響も軽減します。
BioStudioのシールド技術は、アイソレータ等の除染（滅菌）に使用される過酸化水素ガスからも装置を守ります。
外装は、過酸化水素に耐性を持つ材料を使用し材料の劣化を防いでいます。
内部は、特殊な密閉加工により、過酸化水素ガスの侵入を防いでいます。
BioStudioを使えば、アイソレータ内で細胞の画像取得ができるため、細胞調製作業のエビデンスの１つとして使用することができます。
専用ホルダを使えば、グローブで扱いづらい培養容器も、簡単に観察装置の上に載せ、観察することができます。
※ SOPとは・・・Standard Operating Proceduresの略称で細胞調製作業における標準作業手順書を示します。
BioStudioは、パソコンの電源を入れてアプリを起動すれば、初心者でもすぐに細胞観察ができるようになります。
ソフトウェアは、はじめて使う人でも直観的に操作できる画面になっています。
また、専門知識を必要とするような光軸調整や複雑な設定もありません。
接続するケーブルも少なく、清掃も容易にできるように凹凸を少なくしています。
取り扱いがシンプルなBioStudioを使えば、細胞調製作業のSOPの簡略化にも役立ちます。
BioStudioは、細胞観察に適している位相差観察を採用しています。
位相差観察は、無色透明な細胞を可視化できることから、無染色・非侵襲的なライブセルイメージングを実現します。細胞培養で多用されているプラスチック容器での観察に適していることも特徴の１つです。
タイリング機能を使えば、高精度ステージが、隣り合う観察画像をつなぎあわせ、１枚の広範囲な画像をつくりだします。
タイリング機能とタイムラプス機能を組み合わせれば広視野で細胞の挙動が確認できます。
BioStudioは、カラーカメラにも対応しています。
カラーカメラを使えば、トリパンブルー染色による死細胞のカウント（手動）や細胞の呈色反応なども観察可能となります。
BioStudio-TWのWhole View撮影機能（暗視野型広視野観察系）は、短時間で広いエリアを撮影する機能です。
この機能を使えば、まばらに形成されたiPS細胞コロニーの分布を簡単に確認することができます。
さらに、Whole View撮影されたiPS細胞コロニーをクリックすれば、すぐに拡大された位相差像を観察することができます。
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